手に入れたいのはお前だけ。
手に入れたいのはお前だけ



「あの、好きです!!」



ベタな屋上に呼び出され、まさかとは思ったけど告白を受けたあたし。



一生懸命思いを伝えてくれているんだって、表情からわかってなんだか断るのに心が痛くなった。



でも、あたしには大切な人がいるから。



「あたしを好きになってくれてありがとう。でも……ごめんなさい」



それだけ言うと、思いを聞いてくれてありがとう、と男の子は笑顔で帰って行った。



冷たい風が、あたしの伸びた髪の毛をさらう。



ーーーもうすぐ、冬が来る。



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