手に入れたいのはお前だけ。



「俺、初めて交わされたんだけど」



「え?」



「というか自分から誘ったのも初めてなのに」



「あ、あの……?」



さっきからブツブツひとりで、茂木くん何言ってるの?



茂木くんに合わせてしゃがみこむと、ゆっくりとあたしを見た。



「も、茂木く、」



「女の子からの誘いは全部断った」



「え?」



「これが、最後のお願い。クリスマス俺と過ごしてほしい」



そう言う茂木くんの瞳は真剣で、これが冗談じゃないってことくらいすぐにわかった。



ーーーー嘘でしょう。




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