手に入れたいのはお前だけ。



「由くんどうしたの?」



ひとりで笑っていると、不思議そうに俺を見る千澄が隣にいた。



「前見てないと、転ぶぞ」



「もう!転んだりしないよ!」



なんて言った矢先につまずいた。



本当に千澄は、見ていて飽きないヤツだ。



「千澄」



「ーーーん?」



「クリスマス、どっか行くか」



俺を見て一瞬止まったあと、千澄は笑顔で頷く。


きっとこの誘いを待ってたんだろうな。



千澄の笑顔を見て、そう思うとなんだか嬉しくなった。



千澄の笑顔は俺を幸せにしてくれる。





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