手に入れたいのはお前だけ。



「これからの展開が気になるけど、
あたし用事あるから先に帰るね」


かばんを持った美喜ちゃんが、
残念そうにあたしを見る。


「帰っちゃうの?」


「うん。でも千澄はちゃんと残っとくのよ」


「う、うん」


「どうなったか明日聞かせてね」



じゃあがんばりなさいよ、と美喜ちゃんは
教室を出ていった。


ひとりになったあたしは、机に突っ伏した。



深高くん、どこに行ったんだろ。



ふと外を見ると、グラウンドで男の子たちがサッカーをしているのが見える。





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