手に入れたいのはお前だけ。
「あたし…………」
ポロポロと落ちる涙を、指で拭う。
言いにくそうにしていた千澄は、少し落ち着いてから口を開いた。
「クリスマスのお誘いを受けたの。……茂木くんから」
それは初耳だな。奏太のやつ、ちゃっかりしてる。
「女の子の誘い全部断ってでも、あたしといたいって言われて……」
「ーーーうん」
「これで最後にするから、って……」
再び涙声になって、ヒクヒクと肩を震えさせる千澄。
「真剣にそう言ってくれたのに……あたし……応えられない」
「うん……」