手に入れたいのはお前だけ。



「千澄、これ」



「え……?」



体を離すと、あたしに長方形の箱を差し出す由くん。



「開けてみて」



状況を飲み込めないまま開けてみると、中には可愛らしいお花があしらわれたネックレスが入っていて。



「由くん、これ……」



「千澄に似合うと思って」



そこまで言われて、我慢していた涙がこぼれた。



「……泣き虫」



「嬉しくて……」



まさかこんな素敵なものを貰えるなんて思ってなかったから。



………っていうか。



< 318 / 322 >

この作品をシェア

pagetop