手に入れたいのはお前だけ。



溢れていた涙は止まることを知らなくて。



次から次へと頬をこぼれていく。



……せっかくメイクもがんばったのに、台無しだ。



「そんなに泣くなよ」



「だって由くんが嬉しいこと言うから……」



大好きな人に言われるこの一言が、こんなに大切なものになるなんて思わなかった。



由くんに言ってもらえるなんて、あのときはきっと思ってもなかったね。



だけどこうして、今あたしの隣に由くんはいる。



そばにいてほしいって、言ってくれてるんだ……。



< 320 / 322 >

この作品をシェア

pagetop