手に入れたいのはお前だけ。
まだ高校二年生の春なのに
なんでこんなこと考えちゃうんだろう。
そうか、それはーー……
茂木くんとまた同じクラスになって
深高くんがあたしに関わってきたからだ……。
「千澄」
ゆっくりと頭を上げる。
教室の入口には、待っていた姿があった。
「……深高くん」
「どうしたの、そんな顔して」
そう言いながらあたしのもとに歩み寄ってきた
深高くんは、グラウンドの外を見て納得した。
「……なんだ。奏太を見てたのか」