Melty Lesson
Melty Lesson
「あっ……」
「うん。そこは4の指じゃなくて、1の指で弾いて。はい、もう一度1小節前から」
そう指示をされて、目の前の楽譜を懸命に追って両手で鍵盤を押さえる。
「止めて。もう少し指の力を抜いて。こういう風に」
そんな声と共に横から伸びてきた、女性顔負けの綺麗な長い指。
今度はその指先が鍵盤の上を滑らかにかけていく。
「っ」
その度に、私の身体に甘さを帯びた緊張が走るの。
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