ディバインストーン 1
俺は正体を確かめるべく、身を隠しながら近づいた。
姿がはっきりとしていくうちに、
俺は信じられないものをみた。

確かに、人の形をしている。
だが、人間では無かった。

異常に発達した腕。
その腕から伸びた鉤爪、棘。
そして、縦に裂けた瞳孔は獣を髣髴させた。

「な・・・んだよ・・・あれ・・・」

あんな人間が・・・いや、あんな生物が存在するなんて・・・。
それに、あいつらまさか・・・

「戦ってる・・・のか?」

シオンの方も、禍々しい鎌のような物を振り回し応戦している。

飛び出そうとしたところで、俺は足を止めた。
(俺に何ができる?)
(足手まといだ。)
(でも、助けないと)

様々な思考が交差する。
気付かぬうちに、体が動いていた。
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