ディバインストーン 1
「おぉ、飛んだ飛んだ。かかかっ!
手応えねぇぞ、モルモットちゃんよぉ!」

「シオン!」

シオンは倒れたままだ。
鎌も落としてしまったらしく、持っていない。

このままでは怪物がシオンを・・・

俺が出ても、何もできないことはわかってる。
だが、何もしないままだと確実にやつはシオンに止めを刺すだろう。
いや、それだけは!

俺は近くにあった鉄パイプを掴むと飛び出した。

「ら・・・いや・・・?」

顔を上げたシオンが苦しそうに呟いた。

「へぇ。ただの人間が、俺に挑もうってか。」

シオンを庇うように立つと、鉄パイプを構え直す。
勝てないことは分かっている。
下手すれば死ぬかもしれない。



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