舞う風のように
入隊
〜〜
『では、俺はこれで。』
そう言って小野寺が去ったのは数分前。
「ほらな!八尋は長州のもんじゃねぇって言ったろ?」
「えぇ…そうでしたね。」
眼鏡の似合う青年、山南は申し訳なさそうにそう答える。
「あぁ…その、すまなかった。知らなかったとはいえ、俺は随分ひでぇ事をやっちまった。」
頭をかきながら言いにくそうに土方は言う。
「誤ってすむなら、世の中、何でもありですよね。」
鬼の副長が謝るのは凄く珍しいんだろうけど…
どうしても許す気にはならない。
小さく舌打ちをする土方。
おい、それが謝る態度か…
痛む体を無理に正して、局長に向き直る。
「では…貴方達からのお詫びとして…
一つ。頼みが在るのです。」