舞う風のように
もう自分に染み付いた、笑顔の仮面を深める。
「本当は、普通にこちらに参りたかったのですが…」
嘘だ。
「少し、予定が狂いまして…しかし、これも何かの縁でしょう。
…俺を、新選組に入隊させて頂きたい。」
そう言って、辺りにいる幹部達を見回す。
「お前…まじかよ。」
「はぁ!?」
驚愕の表情の幹部達。
彼らを見つめ、由紀は不敵に微笑んだ。
「こんなにも痛めつけてくれた詫びなら、凄く安いとは思いませんか?
…俺、まだ傷も塞がってないし、血だって止まってないんですよ。」
時々、目の前が霞む。
由紀は、近藤と土方をじっと見つめた。
「分かったーーーーーー
入隊を、許可する。」