舞う風のように

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「ここが取り敢えずのお前の部屋だ。」


そう言って山崎は、屯所の端にある一つの部屋を指す。




「…あぁ、そうですか。分かりました。」




やばいな…
さっきから頭がぼうっとしている。


(土方の野郎。…いくら俺が大丈夫と言ったからってそれを鵜呑みにすんなよ。)




山崎に付いて、部屋に入った。


「何もないが、好きに使ってくれ。」




やはり、部屋はその人の性格を表すのだろうか。

驚く程にその部屋には物が無かった。




「佐上…さっきからフラフラして居るが大丈夫なのか?」



「大丈夫なのかって…」

由紀はその整った顔が引きつりそうになるのを抑え、無理やり笑みを貼り付ける。


「俺は、あの土方に軽くとはいえ拷問をされたのですよ?…忘れて居ませんか。」



「あぁ、そうだったな。」




そんな由紀を軽く受け流す山崎。



やはり俺は、ここには受け入れられて無いのだろう。



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