俺だけのモデル
勢いよくガラガラと扉を開ける音を室内に響かせた。
「土谷さぁ〜ん。代わりのフィッティングモデル見つかりましたよ!!」
「おぉ!でかした草野!」
私は、制作部の方にヒカリちゃんを連れて(半ば強制に)戻ってきたのだった。
「って!モデルのヒカリじゃん!なんで!?」
「知らないんですか?今日、リクさんが連れてきたんですよ。朝の騒ぎすごかったんですから」
「まじかー。てか、勝手に使っていいの?」
「さぁ?」
スコーンっと良い音が響く。
軽く丸めた雑誌に頭を叩かれたのだ。
「イったーい。酷いです。土谷さん」
「ったく。お前は……!」