【短編】疾風恋心
「……浮気したろ、芽衣子。」
ボソッと少し唇を尖らせて突然林クンは呟いた。
「…………はっ?!?!」
ううう浮気?!
「…ま、クラス違うから仕方ないけど。」
しかし、彼はすぐに何かを考え勝手に結論を出し、勝手に自分の発言を割りきってしまった。
あ、あの……。
「えっ、とぉー…私、なんかした……?」
林クンは理由もなく怒ったり、悪事を人のせいにしたりしない人だから、
絶対に私のせい。
今日の私の行動を、朝起きてから今までを必死に思い返す。
林クンは問いかけに答えず黙ったまま。
私が思い出すまでなにも語らない所がSだな…と改めて思う。
これから起こるもっとSな彼の行為にまだ気付かない私は、
必死に自分の行動を思い出していた。