【短編】疾風恋心
結果は2年連続林クンのクラスが優勝した。
ジリジリ照らしていた太陽が西に傾き、空が赤く染まり始める。
その空の下で、今までにない空気の重さを携えながら、
私たちは並んで歩いていた。
あれから一言も喋らない林クン。
やっぱり…まだ怒ってるのかな…。
「あの、林ク…」
「やめろって。」
え………。
夕方を知らせる肌寒い風に、髪が舞った。
ヤメロ…?
話しかけるなってこと…?
鼻の奥がツーンとする。
やば…泣いちゃう…
「その呼び方。」