秘めた想い
一人きりになった佐々木はため息をして、壁にもたれかかった。
「……………盗み聞きとはいい度胸じゃねぇか、真紀」
!!???
ば…ばれてる!?
あたしは曲がり角の裏に隠れてたし、佐々木から見える位置にはいなかったはずなのに…!
「あんな、影でばればれ。」
「わぁっ!!」
考えているところに、
ひょこっと角から佐々木が顔を出したため、あたしは大きな声を出してしまった。
「相変わらずリアクションでけぇな」
おもしろそうにケラケラ笑っている佐々木に、あたしは頬を膨らます。
ば、ばかにしてるし…!
そ、それよりも影って…
下を見ると、影は佐々木から見える場所まで伸びていた。
しまった、二人の話に夢中で気づかなかった…!