恋 時々 涙
♪また明日
暗い道を抜けて、
大通に出た。
いつもここで拓海とは別れる。
「ありがとう」
拓海にバッグを貰おうと
肩に手を伸ばす。
「ちっちぇな」
バカにするように笑う拓海。
「なっ!!?それは拓海が高すぎるんだよっ!!」
軽くジャンプするが届かない。
それもそのはず拓海は180cm、
私は156cmしかない。
「はいはい。ま、牛乳でも飲んで背伸ばせよな」
"ほれ"とバッグを渡す。
「おっとっ、」
やっぱりバッグは重たくて、
体がふらつく。
「大丈夫か?い…「大丈夫だよっ?!全然平気っ。」
拓海が言う前に言い返す。
「あぁ、そう。まっ…………よ」
「えっ?なんて言った?今」
車が通り、何と言ったか聞こえなかった。
「なっ、何も言ってねぇよ!
じゃあなっ」
私に早々と背を向けて歩き出す。
「またねっ」
最後に叫ぶと、背を向けたまま
手を挙げてくれた。
それを確認すると私も歩き出した。