恋 時々 涙
「なに食べてっ…!!」
振り返ると拓海が私の卵焼きをつまんでいた。
「いいじゃん」
「良くないっ!!私、卵焼き大好きなのにっ!!」
「それわかって食べたんだし」
"ベー"と舌を出す拓海。
「最低だ…。バカ野郎っ」
「また今度ちょうだい」
ケラケラと笑いながら拓海と淳ちゃんは教室を出ていった。
私しかいない静かな教室。
「もうっ」
"ふぅ"とため息を漏らす。
そう言えば、拓海がお母さんの料理食べるの久しぶりだ…。
そんなことを考えていると、遥が教室に帰って来た。