恋 時々 涙
「どうしたの?そんな不機嫌そうな顔して」
遥が苦笑しながら、私の頬を指でさす。
「卵焼きが…」
「あら、拓海か」
私の弁当箱を覗き込んで私の前の席に座る。
「なんでわかったの?」
「だいたいわかるよ」
ミルクティーに口をつけながら遥が続ける。
「優にそうゆうことするのは拓海しかいない。優の好きな食べ物とかわかってるの、拓海しかいないしね」
微笑む遥。
少し冷たい、でも僅かに暖かさを感じる春の風が吹き抜ける。
「そうなのか…」
パクっとウインナーを口に運ぶ。
「うま」