恋 時々 涙
●部活
体育館に入ると、もうシュートメニューに入っていたから、急いで部活着に着替えて、バッシュを結んだ。
「おっそーーーいっ!!!!」
「ごっ、ごめんなさいっ」
本日一度目の、りっちゃんからの一喝がとぶ。
りっちゃんこと高宮 理子(たかみやりこ)はこのチームのキャプテン。
りっちゃんからの喝がとぶのはいつものこと…。
「5分間休憩っ!……で、何で遅れたのかな?」
部員に指示を出して、すぐに私に視線を移す。
「今先に雑用頼まれて、図書室で本を探してた…」
あははっととぼけて見せるがりっちゃんには効かない。
「ふーん。ま、仕方ないね!!優がサボることはないだろうし」
"まぁ、いいや"と笑うりっちゃん。
あっさりした性格だから、すぐに許すのがりっちゃん。
「あ。りっちゃんさ、3年の折原 京太先輩って知ってる?」
りっちゃんに問いかけながら、ボールを手に取る。
「知ってるに決まってるじゃんっ!!」
少し興奮気味にりっちゃんが答える。