恋 時々 涙
♪大会
一回戦、二回戦を難なく勝ち進み、準決勝。
激戦ののちなんとか勝ち進んだ。
そしてついに決勝戦。相手は全国レベルの強豪校。
厳しい戦いになる予想はしていたものの、4点リードされたまま最終クォーター。
残り1分しかない状況。
「時間がない一本っ!大事にっ」
ドリブルをつきながら、残りの4人に指示を出す。
「りっちゃんっ!」
フリーだったりっちゃんにパスを出す。
「ナイスパスっ」
シュッとりっちゃんの放ったボールがきれいに宙に上がりシュパっとネット揺らす。
「ナイスショットッ!!」
会場内から歓声がどっと沸き上がり、残り45秒で2点差。
『勝つためにはあと3点いる…、カットを狙って、スリーを打つしかないっ』
必死にディフェンス。死に物狂いでボールカットを狙う。
バシッ!
うちがカットして、再びオフェンス。
勝つには絶対今決めるしかないっ!!
スリーポイントラインからクンっとボールをかまえ、リングに放つ。
『入れっ、入れっ…』
心の中で強く、強く願った。
…シュッ
ネットがきれいに揺れ、それと同時にタイマーがなる。
「試合終了っ!」
「や、やったーっ!!!勝ったぁ!!」
ブザービートで逆転のスリーポイントシュート。
「優っ!!ナイスショット!!すごいっ、すごいよ!」
りっちゃんやチームメイトが私をもみくちゃにする。
「やった、やったよ!!」
人生初のブザービートで逆転シュートを決め、嬉しさが胸いっぱいに広がる。
こんなにいい仲間とバスケができて、勝利に貢献できた。
嬉し過ぎて、涙が溢れた。