恋 時々 涙
「優っ、おめでとう!!お疲れっ」
試合を終えてロッカールームに戻る途中、試合観戦に来てくれていた遥がスポーツドリンクを渡してくれた。
「ありがとうっ、本当によかったよ!」
まだ体にあのときの緊張が残っていて、小さく手が震えている。
初めてのブザービート。まるでドラマのような感覚で夢物語のように感じる。
「本当かっこよかったよ!いつもの優じゃなかったね。……あ、ちょっと待って…」
遥のケータイがなる。
「あ、ごめん!ちょっと電話してくる!」
タッと遥が小走りで去って行った。
遥にもらったスポーツドリンクを飲みながらロッカールームに戻ろうと歩き出した。
「優ちゃんっ」
また誰かに名前を呼ばれ、振り返ると…
「京太先輩…」