恋 時々 涙
●拓海
「うるせぇ!!近所迷惑だっ
ばか野郎!!!」
「…ぇ、え、た…拓海…?」
恐る恐る振り返ると
拓海が呆れ顔で立っていた
斜めにスポーツバックをかけて
ポケットに手を突っ込んでいる
「お前…。すげぇ声」
「そっ、それは拓海が脅かすからっ!!」
「俺は"おい"って言っただけだ」
「突然言われたらびっくり
するよっ!!」
パシッと軽く拓海の
腕を叩いた
「はいはい」
そう言うと、拓海がスタスタ
歩き出したから
私も拓海の隣を歩いた。