恋 時々 涙
デザートを堪能して、帰る前にみんなで砂浜に出た。
「わぁ、キレイ!満月だぁ」
夜の海は、なんだか幻想的。
静かな砂浜に寄せる波の音が大袈裟に聞こえ、海面に映る月が波に揺らされている。
「海見るのなんて久しぶりだよー」
「私も!!」
りっちゃんと砂浜に座り込み、海を眺める。
「そう言えばさ。今日、京太先輩来てくれてたんでしょ?」
「うん、え?なんで知ってるの?あ、りっちゃんも見た?」
「うぅん、拓海から聞いた。なんか"楽しげに話してた"なんて言ってたから"妬いてんの?"って言ってやったよ」
せせら笑いながらりっちゃんが言って、少し頭にあることが過った。
『そのことで機嫌悪かった…とか?』
私と京太先輩が話してたから怒ってたのかな…。
…って。
バカみたい、そんなことあるわけないじゃん
「妬くわけないよー」
苦笑しながら、少し自分がバカらしく感じた。
でも、まだ拓海の不機嫌の理由が気になった。
だって、何もしていないのにあんな態度をとられたら。
しゃくだもん。