【死場】~連続変死ミュージカル~
30人中、12名が死んだ。
それでも舞台公演に向けて、変更はない。
相変わらずスタジオの持ちビルの階数が変わる程度だ。
――だが。
「人数を補充することになった」
山井の口から驚くべき発表がなされた。
動揺を隠せない生徒達。
「うちのクラスからは一人だ」
それを聞いて少し安堵の色を浮かべる者もいたが、確率が減ったというだけで、0ではない。
生徒達の緊張は解けない。
「前回同様、その者はもうこちらで選んである」
ざわっ。
誰もが青い顔をして、山井と目を合わせまいと下を向く・・・。
「それでは、その者の名を発表する」
本来なら名誉ある事。
芸能界を目指す者にとって、デビューへのチャンスのハズなのに。
それはあたかも死刑台への死の宣告のように感じられた。