【死場】~連続変死ミュージカル~
「あ、おはようございます!」
羽哉は自分より7つも年下の先輩に頭を下げた。
『本当はこんな事したくない』――それが羽哉の本音だった。
だって、他人に敬語を使うなんて正直ダサい、ロックじゃない。
いや、自分が認めるミュージシャンにだけは、尊敬の意を持って敬語で接したいと思っている――が、それ以外の人間にへこへこするのはカッコ悪い。
それでもこの世界、上下関係も大事だ。
『干される』という言葉もあるし、よっぽど人気実力共に兼ね備えないと、理想のスタイルは貫けそうにない。
『売れるまでの我慢だ』――羽哉は自分にそう言い聞かせた。
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