【死場】~連続変死ミュージカル~
頼人は青い顔をしながらも参加しているが、やはり調子は優れないようで、それが演技に影響している。
「まぁ、頼人は仕方ないな。しばらくは無理するな。本番近くなったら、そうはいかないけどな」
山井が労いの言葉をかけたが、
「甘やかさないで下さい」
割って入ってきたのは、大峰麗華だ。
「頼人君はもうプロなんですよ?芸能界で生き残っていきたかったら、私情は持ち込まないで。下手な演技されたら、周りもやりにくくなるわ」
「・・・・・・」
言われた頼人は黙り込む。
現場の空気が凍りつく中、それを遠目に見ていたセイタの顔には、笑みが浮かんでいた。
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