【死場】~連続変死ミュージカル~
みんながお弁当を食べ終えた頃、元気とともは率先して机や椅子を片付けた。
準備の時もそうだったが、みんなやりたがらないのだ。
死人が出た場所に、誰が出入りしたいだろうか。
レッスン生4人で片付けをしていると、歌手の歌澄が椅子を持って現れた。
「――あ、すみません!ありがとうございます・・・!これ、レッスン生の仕事なのに・・・」
身を萎縮させて徳野紗雪が謝ると、
「いや、いつも迷惑かけてるし・・・。それに、レッスン生じゃなくても手伝いはできるから・・・」
謙虚な歌澄を見て、
「イイ人だね」
「だね」
ともと元気は目配せした。