【死場】~連続変死ミュージカル~
「見てないハズだ。そんな話は聞いたコトない」
いつになくムキになる元気を見て、セイタはせせら笑うように表情を歪めた。
「セイタ君・・・。いたずらに事を荒立てるのは止めるんだ。遊びじゃないんだ」
強い姿勢を見せた元気だったが、セイタにはまるで効果がないようだった。
「もちろん、遊びじゃないから僕だって必死です。仕事をこなしながら自分の命を守ってるんですから――・・・。あぁ、もうすぐ昼休みオワリですね。それじゃあ」
壁時計に目をやったセイタは、そう言い残して去って行った。

「アイツ・・・、不気味だよ」
羽哉は吐き捨てるようにこぼした。
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