ストロベリー・キス・マジック
夜が深まった頃、彼と駅で別れあたしはフラフラと歩いていた。
アテはない。
もしかしたら、次の温もりを探していたのかもしれない。
「なあなあ、暇なら付き合ってよ」
突然肩を叩かれた。
久しぶりのナンパのようだ。
振り返ると金髪のチャラチャラした男がいた。
さっきの行為で体力を消耗していたが、見た目はまあまあな男だから、別にいいかなと思った。
「おい。これ、俺のツレだから返してもらえる?」
別の男の声がした。
肩を組まれ少し体が強ばった。
「チッ、男がいるなら夜中に1人で歩いてんじゃねぇよ」
こう捨て台詞を残してさっきの金髪男は闇に消えていった。