ストロベリー・キス・マジック
「ありがとう、ございます」
これは助けてくれた、と言えるのだろうか。
助けてくれた男は夜中なのにキャップを目深にかぶっているから、表情がわかりにくい。
年齢も判断できない。
「こんな夜中に高校生がなにしてんの?レイプされたいのか?」
ちょっと待って。
あたし、制服着てないんだけど。
顔はどちらかというと大人っぽいから、年齢通りに見られたことがあまりない。
──コイツ、あたしのことを知ってるの?
「セックスしたいなら俺ん家来るか?」
「…うん」
「こんな積極的な女は久しぶりだ。よし、行こうか」