〖短編〗2度目のサヨナラ。



『……』



宏斗は一瞬びっくりした顔をしていたが、すぐに無表情に戻り、また歩き始めた。




『宏斗、ごめん。

あたし…帰るね?』



「………ってる」




あたしが帰る、と言うと、宏斗はわずかに口を動かした。



『え…?

なに!?

なんて言ったの、ねぇ!?』



久しぶりに宏斗が喋ったことに興奮したあたしは、宏斗の言葉で突き落とされた。








「アイツは、もう家に帰ってるはずだ。」






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