〖短編〗2度目のサヨナラ。
『失礼しまーす…』
少し縮こまりながら、あたしは教室のドアを開ける。
学校に潜入してから、ずっと女子トイレに入っていたけど、休み時間になったから出てきた。
『宏斗…
…あ……れ、ん…?』
宏斗のそばに行こうとすると、そこには蓮がいた。
あたしが蓮の名前を呼ぶと、蓮は一瞬こっちを向いて、悲しい目をしてから、宏斗に話しかけた。
あたしはそれを気にせず、宏斗の隣の席に座る。
蓮は宏斗の前の席のところに、後ろ向きになって座っていた。