〖短編〗2度目のサヨナラ。
今までの靄が一気に晴れる。
『ヒロ…』
“宏斗”じゃなくて、“ヒロ”
「頭が混乱してる中、聞こえたんだ。
〘勝手にこっちに来るなんて許さない〙
…って。
きっと俺に“生きてずっと苦しめ”って意味で言ったんだな。
だから俺……」
違う、違うの。
もうあたしは、ボロボロ涙をこぼしながら立ち上がった。
だけどその涙は、床に落ちていく途中でフワッと浮かんで消えていく。
それが余計に、悲しくて。
「それにさぁ、しばらくしたら、何かが離れてく気がして、誰もいないのに“おい、待て!!!”って言ったんだよ。
変だろ?
だけど、確かに瑠羽が側にいて、離れていく気がしたんだ。
まぁ、蓮は信じねぇんだろうけどな。」
確信してしまった。
自分は……《死んだ》んだと。
そして、あたし、小鳥遊 瑠羽は、ヒロと蓮の幼なじみ。