〖短編〗2度目のサヨナラ。
『なっ………!!
何するの!?ヒロ、大丈夫?ヒロ……ッ』
あたしはヒロに駆け寄った。
だけど、ヒロにあたしは見えない。
あたしの声は、聞こえない。
ギュッと手のひらを握って、あたしはうつむいた。
それを見て、蓮はまた苦い顔をする。
「………ッなにすんだよ!!!」
ヒロが蓮を殴り返そうとする。
でも蓮は、それを片手で止めてしまった。
「……別にテメェが頭イかれてるとか思ってねぇよ。
もしそうなら俺だってイかれてるからな。」
「は……?
なに、言って…「見えるんだよ、俺には。」
ヒロは腕をおろし、驚いた顔で蓮を見つめた。
「オマエは瑠羽のことが好きだし、
アイツの側にいたから“感じる”んだろうけど、
俺はそういうの関係無しに《見える》んだよ。」
「マジかよ…………?」
「嘘ついてどうすんだよ。
…だからこそ、見えるからこそ言わせてもらうけどな。
オマエがいつまでもウジウジしてるせいで、瑠羽が成仏できねぇんだよ!!」