〖短編〗2度目のサヨナラ。
「…確証が欲しい。」
ヒロがそう言うと、蓮は〈分かった〉と言って、あたしの所へ近づいてくる。
そして、
「瑠羽、自分は死んだんだって思うんじゃなくて、ちゃんと《生きてる》って思ってみ?」
『そんなの、無理だよ…!
だって、死んでるのに…』
そう、あたしは『幽霊』なのに…
今更、ヒロにここにいるって伝えようとしても…
「ついさっきまでやってただろ?
宏斗にも触れたじゃねぇか。
一回目に触られた時は耐性がなかったから、宏斗の全身の力が抜けたんだ。」
そう、そのときはあたし、ちゃんと生きてるんだって思ってた。
でもホントは死んでて……
「もう宏斗は耐性ができてるから、ちゃんと触られたって分かる。
あとは瑠羽が《生きてる》って思うだけだ。」
あとはあたしが、《生きてる》って思うだけ……………
『あたしは、生きてる…』