好きになった人はホモ。
今、私たちはカフェに来ている。
付き合う事になった日、強制的にゲットした彼のメアドにメールして、学校帰りデートを要求したのだ。
「暇つぶし、かぁ・・・」
彼の言葉を反芻した後、私はそれを訂正してやる。
「違うな。真崎が好きだからだ」
「なっ」
案の定取り乱したので胸中でほくそ笑み、私は更に付け足した。
「真崎がゲーム好きだから真崎に合わせてやってるんだよね、真崎のことが好きだから」
「テメェ!」
「あははっ」
笑ってはいるけど、本心からは笑えない。
だって真崎をネタにしなきゃ、冬見君の心は揺さぶれないから。
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