好きになった人はホモ。
「家、どっち?」
「あっち」
「そ」
私の指差した方向に、先に歩き始める彼。
「あの・・・冬見君も同じ方向?」
「・・・違うけど」
「・・・」
また、さり気ない優しさだ。
夕暮れの帰り道、方向違いの私の家まで当たり前のように送ってくれる。
いつもは真崎と帰るのに、今日は私が――ううん、これからはずっと私が独占できるのかな?
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