うさぎ姫とおおかみ執事
ルキじいやさんがレアの方に向き直った。 

「レアどの、お変わりないようで…」

「ルキさんもお元気そうで、何よりです。」

レアが親しげな笑顔で笑いかけた。 


「レア、知ってるのか。」

「ええ、わたくしがラクティスにいた頃、よくルキさんのお話を聞いていたものです。」 


のんびり馬車が進む。  ゆっくり雲が流れてゆく。 

静かに流れる景色と共に見えてきたのは、いつかの事件があってから足を踏み入れていない、「あの森」―
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