うさぎ姫とおおかみ執事
ドーリア王国のおおかみ達に襲われた、ラズベリーの森…


森の入り口が近づくに連れて、記憶が鮮明に甦る。 ノアール王子があたしの顔を覗きこんだ。

「ん?どうしたよ、ラヴィ。元気ないんじゃね?」

「ううん…」

不安は隠せない。 
隠せないよ…


隣にはいつもどおり顔色一つ変えないレアがいる。 しっかり前を見つめる深く蒼い瞳。 


「大丈夫…だよね。」

「?なんですか?」

「なんでもないっ。」
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