うさぎ姫とおおかみ執事
ドキンー 


「今までどおりに過ごしてはいられないということを、理解していただきたいのです。」

いつのまにか、あたしの手は震えていた。 

「ラズベリーを積みに来たウサギたちは、あたしのせいで罠にかかったの…?」


「ラズベリーに毒を塗ったのは、紛れもなくドーリアの狼たち…姫が今日隣国を訪問することを知っていたのでしょう…。」


「…あたしのせいなの…?」

すがるような目で見上げたレアの顔は、穏やかで優しかった。 
震えているあたしの手を握って、しっかり顔を見て話し始める。 

「自分をせめてはいけませんよ。」
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