うさぎ姫とおおかみ執事
部屋に着くと、ドサッとソファに腰を下ろした。 

成人を迎えるまでは何も考えず、ただ世話してもらって暮らしてきた。 

一国の姫としての自覚を持つこともなく…


「なんて呑気だったんだろうな。」

「ご自分のことですか?」

レアがあたしに暖かい紅茶をすすめながら問い掛ける。 

答えはしなかった。 
王としてのプレッシャーと戦ってきた父上を支えようともしなかった、自分があまりにふがいなかった…
< 64 / 140 >

この作品をシェア

pagetop