うさぎ姫とおおかみ執事
重厚な大広間のドアがギィィ、と音をたてて開き、ゆっくりとライオンが二匹入ってくる。 


黄金のたてがみ、黄金の毛並み。黄金の、鋭い刺すような獣の瞳。 

そこにいるだけでも存在感たっぷりだ。 


手が、足が、震えそうー 両脇の父上とレアは冷静にライオンを見据えてる。 

二匹のライオンがあたしの目の前まで来ると、後ろ足を膝まづいた。 


「お初にお目にかかります、ヴァルシュタイン王国姫君、ラヴィ・ヴァルシュタイン様。これから我が国の王子、ノアールが参ります。」


ギィィ…

ドアがゆっくり開いた。
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