うさぎ姫とおおかみ執事
ほろ酔いの頭で、抵抗することなんて考えなかった。

なんでこんなに心地いいんだろう。 
あたしはいつしか、母上の胸に抱かれているような錯覚を起こしていた。 


「あたし酔ってるのかな…」

レアは何も言わない。 
ただ静かに、どこか遠くを見るような目をしている。 

「レア、話してよ。ここに来た理由…他にもあるんでしょ…?」

「ラヴィ姫に仕えること。それ以外はありません。」

レアは静かに呟く。
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