透明メロディ
a clear melody
鼻歌交じりに今日が始まる。
「〜♩」
朝は弱い方ではない。
鳥が鳴き、それにつられるように人々が動き出せば世界には音が溢れる。
そんな中、眠ってなんていられない。
最近お気に入りのバンドの曲を流しながら服を着替える。
あぁ、やっぱりいい曲っ!
ご機嫌な私は制服に着替え終わると鞄をさげて玄関へ直行する。
しまった!顔洗ってない!
しかし直ぐに自分が起きたままだということに気づき洗面台へと向かう。
髪を軽く束ねて軽く水でパシャパシャと顔を洗う。
歯磨きもチャチャっと済ませて。
前髪を軽く直して…。
「いってきます!」
足を放りこむように勢い良く靴をはいて、私は家を飛びだした。
現在7時。
急いでいる理由は、学校に遅れそうだからなんかじゃない。