〝好き〟の間違い探し
「あっぶねー!
あとちょっとでも点数低かったら達郎に負けてた!」
「それにしても1点って、もうちょっと頑張れよお前」
内容からしてこの前の小テストの点数を競ってたみたいやな。
1点はさすがにやばい。
満点は50点やで?
でも、達郎はアホやもん。
ある意味、予想通りや。
ふっと笑ってから、慌てて頬に力を入れて表情を引き締める。
あたしはもう、達郎とは距離をとらなあかんねんから。
さぁ帰ろ。
そう思った瞬間、俊介の「罰ゲーム」という言葉に反応してしまった。
「くっそ。
わかったよ、なにしたらいいわけ?」
「んー、そうだなー」
わくわく、と踊る声。
ここは定番どころだろー! と盛り上がる周りに、内容を理解していない達郎と、体温が下がっていくあたし。
「よし、達郎。
明日、杏奈に告白しろ」
────ああ、やっぱり。