〝好き〟の間違い探し
はじまりの罰ゲーム
◇
次の日、放課後の教室。
あいつに「大事な話がある」って言われたあたし。
ちえたちと珍しく2日連続で帰らんと、達郎が来るのを待っていた。
「はぁ……」
告白、ほんまにされるんかな。
してくれたらいいのにって気持ちと、しんといて欲しいって気持ちが混ざって。
もう、ぐちゃぐちゃ。
どうしたらいいかわからんくって、どんどん焦っていく。
だって、もうすぐ達郎が来る。
爪が食いこむほど強く手を握り締めた。
そのまま目元に押し当てる。
「遅くなってごめん」
達郎の声にハッと顔を上げる。
「だい、じょうぶ」
あかん、声、震えた。
やばいやばい、もう嫌やこれ。
あつくて、冷たくなっていく自分の心を感じて紺色セーラーのスカートをぎゅっと握り締める。
少しうつむくと茶色いネクタイがゆがんでいる。
いつだってあたしは締まらんなぁ。
カッコ悪。