〝好き〟の間違い探し
うそでこんなん言えるヤツやったんやな。
ムカつく、うっとい、ありえへん。
でも、
「……うん、ええよ。
あたしもずっと達郎のこと好きやったし」
どうしたって好きやから。
こんなに嫌な気持ちになっても変わらんから。
────〝好き〟の中に、たくさんの意味を隠してみよう。
どうか、ほんまの意味は気づかんとって。
罰ゲームでしただけの告白を受けるあたしをあざ笑って。
自分の罰ゲームさえも利用するあたしを見つめんとって。
「本気?
そんなこと言ったら、マジで付き合ってくれると思うけど?」
「本気やし。なんなんよ」
「いや、うん……」
あたしのこと、ほんまは好きやないって知ってるけど、ええよ。
片想いのままで、ええ。
それでもあたし、達郎の彼女になりたい。
「じゃあ、今日からお前、俺の彼女な!」
そう言って、へへっと笑った達郎にあたしも笑顔を向けた。
タイムリミットはバレるまで。
〝罪〟の意識に呑まれながら、好きな人と付き合うこれは、あたしだけの〝罰ゲーム〟のはじまり。